「輪る!ピングドラム」1番詳しいおすすめガイド☆愛を巡る問題がふんだんに盛り込まれた社会派作品

アニメ

子供向け?と誤解されるのが
もったいない!!

様々な角度から
愛を考えさせられる大人のための
社会派作品

作品情報

タイトル輪る!ピングドラム
おすすめ度5.0
種別/ジャンル アニメ / ヒューマンドラマ           
放送局毎日放送・TBS系列ほか /
スタッフ原作 :イクニチャウダー
監督 :幾原邦彦
放送時期2011年7月8日 – 12月23日(全24話)
タグま行, ま, 愛, 再生, 考えさせられる, 家族, 親子, 虐待, マインドコントロール, 謎解き, 罪, トラウマ                 
関連作品 劇場版 : RE:cycle of the PENGUINDRUM
[前編] 君の列車は生存戦略(2022年4月29日公開)
[後編] 僕は君を愛してる(2022年7月22日)
参考: wikipedia

予告動画(前編)

ストーリー ( あらすじ )

子供たち3人で暮らす高倉家。双子の兄は冠葉と晶馬。

2人は体が弱く入院がちな妹・陽鞠とつつましくも幸せに暮らしていた。
陽鞠の体調も良いある日、3兄弟は水族館へ出かけることにした。

久々の3人での外出にはしゃぐ陽鞠。兄たちは目を放した隙に陽鞠を見失ってしまった。
その後、兄弟が目にしたのは人垣の中で倒れている陽鞠だった。

搬送された病院で、もはや手の施しようがないことを告げられる。
亡骸を前に悲嘆にくれる2人。すると突然、水族館で買ったペンギンの帽子をかぶった陽鞠が起き上がり、そして兄弟に高らかに宣言した。
「妾はこの娘の余命をいささか伸ばしてやることにした。もし、このままこの娘を生かしておきたくば・・・・・・ピングドラムを手に入れるのだ!!」

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心に効くポイント ( 感想、考察 )

本アニメは、
かなり深い社会派作品であるにも関わらず

前情報なく見ると
残念ながらそうは見えません!!

誤解されやすく、離脱者が出そうなので
注意が必要です

かく言う私も
口コミ評価が良かったので見始めたものの

1話で「なんじゃこりゃ?!子ども向けなの?!」
と面食らって

「評価はさくらなの?!」と疑った程なのです

その割には、哲学的投げかけがあったり

セクシーショットの男性受け要因が
盛り込まれていたりで

混乱しました

ネットで考察サイトを見て
そう言うことなら、もう少し見てみるか・・・

と観ていたら
途中から、どハマりしたクチです

初めて、完全ガイドも買っちゃいました・笑

さらに、監督の舞台挨拶付きの劇場版を
わざわざ京都へ観にいっちゃいました^ ^

ようやく、理解できた感❤︎

そして、この作品のおかげで
興味の範囲が広がりました

だから
本作の良さがわからないまま
あなたが脱落しないよう

どう見れば良いか
語りたいのです・笑

自分でもビックリするくらいの熱量です・笑

誤解されやすい作品になった要因の一つとして
推測されるのは

どうも監督がセーラムーンなど
女の子向けヒーローアニメの監督さんという点

やりたいことがあるものの当初は
これまでの路線で企画を通す必要があるなどの
大人の事情があったニュアンスが
感じられます

また、作りながら
展開を考えていったとのことで
後半から色がガラリと変わってきます

と言うわけで
この作品においては

挫折するよりは
ある程度のネタバレをよしとした方が
マルです

途中で、挫折したくなった時に
このネタバレがあると踏み止まるかなポイントを
書いておきますので、いざとなったら観てくださいね

挫折しそうになったら見て! 程よいネタバレポイント

この物語は、兄2人が妹を助けようとする物語

メインキャラクターである高倉家の3兄弟(妹)は、3人とも血のつながりがありません
では、なぜ、その3人が、一緒に子供だけで暮らしているのか・・・

社会問題となった地下鉄テロ事件をモチーフに扱っています

事件が起こった1995年3月20日は、メイン登場人物の4人の誕生日であり
2人の命日になっています
そこから16年後の世界、呪いとも言える運命がまた動き出します

*****
現実としては、この作品が放送されたのは2011年
人々の日常が失われた大震災後です
そして、劇場版の公開となった2021,2022年はコロナ禍
さらに、2022年には、安倍元総理の射殺事件がありました

大きな社会的事件、出来事と共にこの作品があるように思います
だからこそ、今見るべき作品のように思うのです

(その他、、ペットの殺処分問題、親の愛情(条件付き愛、虐待)、自己犠牲、家族、宗教、マインドコントロール、テロ、二世問題などの社会問題、被害関係者問題を扱っています)

この物語は、16年前に起きた地下鉄テロ事件の組織リーダーとそれを阻止しようとした女の子による代理戦争。
16年前、二人は痛み分けとなって二人とも消えてしまいます
が、精神世界でその存在は残っており、現代に生きる者たちを動かし、再度その実行を図ろうとするリーダーと、止めようとする女の子の戦いが再発。どちらが勝つのか

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の世界観が取り入れられています
ちなみに、私は読んだことがなかったので・・・
「読みました」と言いたいところですが、文学を読むのは苦手なので・・・
あっちゃん(中田敦彦)のYouTube大学と朗読で
勉強させていただきました

実際にあった出来事を登場させている点
りんご、蠍の火、無性の愛、鉄道(地下鉄)の向かう場所、そらの孔(あな)
などが本作に関連して盛り込まれています


また、各話毎に
・面くらいポイントと対策
・重要なポイント
をお伝えしますね

各話の解説 & 考察

初視聴、お疲れ様でした!

独特な部分、ありましたよね^ ^

地下鉄モチーフや
回想シーンの始まりなどは
今後もそのように表現されますよ

<面くらいポイント>

ええ、ええ、そうでしょう、そうでしょう

面くらいポイント
きっとあったことだと思います

次の3つを挙げておきますが
他にもありましたか?

1. 帽子を被って生き返ったという設定

これは、そのうち意味を持ってくるので
ここでは放っておきましょう

2. 女の子が変身する、変身の仕方や変身後の世界

変身するシーンは、毎回同じくだりがあるので
飛ばして構いません

でも、この作品に出てくる曲って
古い曲らしく

おじさんバンドが歌っていたような歌を
可愛い女子の声でポップにアレンジされていて
作品やストーリーにもマッチして
私は、好きです

3. 何、それ?のペンギンが出てくる?!

ペンギンについては、後でまた書くとして
ここでは癒されポイントとして見ておきましょう

発端としては、子供向けアニメでは
グッズの販売ができる動物の登場が必須だからと言う
大人の事情らしいですよ・笑

<重要ポイント>

1. 冒頭、近所の子どもが通りすがりに話している話題

宮沢賢治の銀河鉄道の夜についてで
この作品のテーマを示唆しています

2. 変身後の女の子が「ピングドラムを手に入れるのだ」という

「ピングドラム」は、この作品のタイトルにでもあり
ずっとキーになるものです

「代償」と言う言葉も、今後、何度も出てきます
ここでは、陽毬を生き返らせた代償として
冠葉の胸から、赤い丸いものを取り出したような場面を
影絵風でみせています

「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」と言うマイナスな言葉も
印象に残りますね

「夢を見なさい」「何者かにならなければいけない」との圧力の中で育てられた
Z世代には、特に強烈だったようですよ(作家:辻村深月さん談)

3. 「運命について」「なぜ、何のために生まれるのか」

そんな哲学的な疑問が投げかけられます
考えたくなりますね

4. 冠葉が眠る陽毬にキス


意味深で、びっくりしましたね
これについては、しばらくは、そんなこともあったなあくらいで
思っておけばいいと思います

<面くらいすぎたあなたへの対策>


2話へいく気が失せてしまった人は
ここで、次に9話を見て観ることをおすすめします!

あるいは
上の「挫折しそうになったら見て! 程よいネタバレポイント」を
開いて、読んで見ましょう

<面くらいポイント>

1. ペンギンが他の人に見えない設定の矛盾

人には見えないはずのペンギン
そこまではいい

けれど、ペンギンが持ったものまで消えてしまう設定になっています
極め付けは、下着屋さんに入って、下着をそのまま持って出れちゃう?!

これについては、そういう世界観、設定なのねーと
気にしないでおきましょう・笑

2. ストーカー物語なの?!

いきなりそんな話が
降って沸いた感があると思いますが
まあまあ、これも後ほど意味をなしますので
長い目で見てください(^^;

<重要ポイント>

1. 苹果の日記

苹果のストーカーは、どうやら日記に書かれた
決められたことをしているようだと言うこと

1話での冠葉は「運命」を悪く受け取っていましたが
苹果は、いい意味で使っているので
更に「運命」について、考えたくなりました

<面くらいポイント>

1. カレーを作る鍋に取っ手がないこと

まあ、細かいですが
「えーーー!」と思いました

取手があれば、火傷もしなくて言い訳ですし・・・

苦し紛れの理解としては
取手が取れる鍋の取手をつけないまま
ゆりさんが使っていた?!

でも、使いにくいはず。

ここは、気にしない気にしない
面白くするためかなーくらいにしておきましょう

<重要ポイント>

1. 苹果が執拗に日記の通りに現実を生きようと拘っていること

これについては、6話で明かされています

2. 冠葉が目的のためなら手段を選ばない犯罪行動に出ること


ピングドラムを探すため、苹果の家にピッキングして潜入していましたね
これは、序の口となっていきます

ちなみに、苹果のストーカーも手段を選んでませんよね^^;

そういう言動の背景には、恐怖があるものです
この二人にも・・・この辺はおいおい明らかになります

<面くらいすぎたあなたへの対策>


もう苹果のストーカーぶりはたくさん
と思ったあなたは、6話を観てみましょう

なぜ、苹果がそんなにまでして、現実にしようかが
解き明かされます

その後は、4話へ戻ってもよし
そのまま、7話に行ってもよし
でも、どっちに行っても林檎のストーカー物語が
メインなので、ここで重要なポイントだけかくにんして
9話へ行くもよしです

ここまで観たあなたなら
もうだいぶ慣れてきたのでは?!笑

ミュージカル調部分には
好き嫌いがありますよね
私は好きです

<重要ポイント>

1. 高倉家の両親が登場


愛情のある両親のようですが、
いつから、なぜ、いなくなったのか・・・(見ていくとわかります)

お父さんは、嵐の中、
病気になった陽毬を病院までおぶって連れていきます

父親の背を負ってついていく冠葉でしたが
風で飛んできたガラスが冠葉に飛んできて
冠葉を庇うためお父さんが怪我してしまいます

それでも、お父さんはついてきたことを叱らず
「お前も頑張ったな」と冠葉を労います


その後に続けたセリフ
「通り過ぎない嵐なんてどこにもない
でも、通り過ぎるのを待っていたら、大切な人は守れない

それを忘れるなよ、冠葉」

この言葉を冠葉は胸に刻むことになります

ちなみに、ガラスの破片は、この作品の中で重要な部分で
何度も登場します

2. おじさんが登場


おじさんは、子どもたちだけで暮らしていることに
問題意識を持っています

けれど、3人バラバラになることを嫌って
お金はどうにすると冠葉はいい張ります

3. 苹果のお父さんが登場


面会日で会っているとのことで
離婚したらしいことがわかります

そして、すでにお付き合いしている
子持ちの女性がいるらしいことも・・・

4. 冠葉のお金の調達の仕方

陽毬の治療費と生活費を稼ぐため
冠葉が怪しげな何者かからお金を調達している様子です

5. 陽毬は、あのペンギン帽がなくなったら死ぬ

もしかしたら、面食らう設定かもですが
ペンギン帽がなくなったら、陽毬が死ぬことが
改めて明らかになりました

<重要ポイント>

1. 記憶を消す武器があるらしい

武器も女性も謎として、みすすめましょう

2. 苹果がなぜ、日記通りに現実を生きようとするかの理由


明らかになります

◆苹果の呪縛:両親の喧嘩と離婚
「亡き姉・桃花にならなくてはいけない」
「私が桃花になれば、全てがうまくいく、元通りみんなが幸せになる」
それは、別の言い方をすれば
「自分ではいけない」「自分のままでいてはいけない」の呪縛です

ちなみに、小さなお子さんを亡くされたり、流産したことで
その後に生まれた子供に、ついつい、その子を重ねてみることで
その子が成長するにつれ「自分を見てもらってない」トラウマを
持つことはままります

苹果と田蕗との関係も明らかになります
(桃花の命日が、3月20日だったことがカレンダーからわかります)

「運命の意図すること」「すべてのことには意味がある」
そんな考え方を田蕗から教わります

特に、ないですが
ゆりさんと田蕗さんが婚約しました
ここからどうなるのか?

次回まで、ストーカー物語が続きます

前回、ゆりさんと田蕗さんが婚約しました
更に今回では、苹果のお父さんの再婚が決まった場面に
苹果も居合わせてしまいます

ますます「早く田蕗さんと結ばれなければ!」と焦り
過激になります

「プロジェクトM」のMがマタニティであることも
明らかになります

<重要ポイント>

1. 日記が半分何者かに奪われる


誰に奪われたのかは
おいおい出てきます

2. 晶馬が苹果の身代わりで車に撥ねられる


自分の怪我や命をかえりみない自己犠牲を払って
誰かを守ることが無償の愛として
この作品では度々描かれます

5話での冠葉を守った父然りです
(「銀河鉄道の夜」との関連性が窺える部分)

ここから、一変して、様相が変わっていきます

1話から飛んで、ここに来た方は
「あれ?同じ場面?」と思われたことでしょう

でも、違うてん、気づきましたでしょうか?
(例えば、ペンギンや「ペンギンだぁ」と隣で叫ぶ男の子と両親など)

そして、ペンギンに着いていくと、
不思議な世界へと誘われます

<面くらいポイント>

1. 着いた図書館に着いたら、なぜか、返す本を持っている


もう、ここまで来たら、「あれっ」て思う程度で
気にしないが慣れてきましよよね^_−☆

<重要ポイント>

1.水族館の地下にあった図書館の入り口の像に「7つの大罪」が記されている

一般に、「7つの大罪」と言えば
キリスト教の罪の根源とされる「傲慢」「嫉妬(ねたみ)」「憤怒」「怠惰」
「強欲(貪欲)」「暴食(貪食)」「色欲」のことですが

ここでは、ガンジーが説いた「七つの社会的罪」が記されています
ちなみに、weblio辞典では、次のように訳されていますが

  • 理念なき政治(Politics without Principle)
  • 労働なき富(Wealth without Work)
  • 良心なき快楽(Pleasure without Conscience)
  • 人格なき学識(Knowledge without Character)
  • 道徳なき商業(Commerce without Morality)
  • 人間性なき科学(Science without Humanity)
  • 献身なき信仰(Worship without Sacrifice)

本作品では

  • 汗なしに得た財産
  • 良心を忘れた快楽
  • 人格が不在の知識
  • 道徳心を欠いた商売
  • 人間性を尊ばない科学
  • 自己犠牲を伴わない信心
  • 原則なき政治

となっています

本作品では、「目的のためなら手段を選ばなくていいのか」も
度々投げかけられるテーマの一つです

2. 図書館の地下深くにあるそらの孔(あな)分室の司書・眞悧(さねとし)登場

眞悧から 「運命によって選ばれた特別な人」言われる陽毬
「選ばれる」「特別な人」も、この作品のキーワードです

スピリチュアルの世界で、アカシックレコードと言う考え方があり
過去・現在・未来の全ての記憶が貯蔵されている
図書館のような場所があると言われています

それは、個人それぞれの記憶も貯蔵されていると言います
まさに、そんな場所をイメージしたような場所だと思いました
未来もあるわけですから
本作品のキーワード「運命」にも繋がっていますね

ちなみに、「そんな子が、どうして、あんなことになったのだろうね・・・」
のセリフの意味は、追って、明らかになっていきます

3.陽毬の過去が明かされていく

一つ目の物語:友達2人と3人で、アイドルを目指していた陽毬
名前をトリプルHと名付けます

二つ目の物語:3人でお揃いのリボンでオーディションビデオをとるつもりが
お母さんが別のリボンを買ってきます
駄々をこねた表紙に鏡を倒した陽毬
ここでも、母親が陽毬を庇い、割れた鏡の破片で
顔に残る怪我をしてしまいます
陽毬を叱る所か「陽毬に怪我がなくてよかった」と言う母親

自己犠牲による無償の愛が発揮されます

三つ目の物語:話を聞いた親友2人は、お母さんが早くよくなるように
何ができるか考えます
結果、図書館で読んで本に書いてあった、「鯉の生き血」を飲ませることに
校庭の池にいる鯉をとって、生き血を取ろうとする瞬間に
先生にみつかり、怒られてしまします


これもまた、目的は善であり、肯定的な意図を持ったものです
それによって、傷つく人がいるところまで想像が及びません
ここでは、その鯉は、去年の卒業生の贈り物でした
私たちの日常でも、そんなことからトラブルが生じることってありますよね

ちなみに、コーチングでは、何かしようとしる際
エコロジーチェックと言って、その言動が周りにどんな影響が及ぶか
マイナス影響が出る人がいるのであれば
その対処も一緒に考えます^_−☆

陽毬は、学校を去ることなりますが
2年後、ダブルHとしてアイドルデビューしが二人をメディアを通して
知ることになります
ちなみに、地下鉄車内の中吊りは、ダブルHです!

そして、エンディング曲は、本編ではなし得なかった
トリプルHによるもので、ニクイ演出ですね♪( ´▽`)

4. こどもブロイラーの情景


「運命の果実を一緒に食べよう」とりんごを差し出す少年に
「選んでくれてありがとう」と言う自分を思い出します
そして、その人が、自分の「大切な人」であり「運命の人」だと・・・


これに着いては、おいおい明らかになってきます

*****

この回の内容は、陽毬がいなくなってペンギン帽を被って生き返るまでの
陽毬側の視点で描かれたもの

でも、回想ではなく、夢として位置付けられますが
全くの夢ではなかったったことは
サンちゃんが「カエル君東京を救う」の本を持っていることでわかります

ただし、この回の水族館で出会ったサンちゃんには
すでに3の字が書いてあります
これは、第2話で陽毬が生き返った後
ペンギンが送られてきて冠葉が書いたものなので

どの時点のサンちゃんが水族館にいたのか、時間軸は、ちょっと謎ですね
(箱に入る時、文字は消えるので初期化されるっぽいけど)

8話の続き、晶馬が車に撥ねられるところからスタートします
この事故は「苹果のせいじゃない」と晶馬は冠葉に説明します

それを苹果も聞いていて、晶馬に謝ります
晶馬は、苹果のケガを心配し、膝の擦り剥き以外にないことを知って
安心してます

優しいですね
親を見ているからでしょうか

<重要ポイント>
1. 晶馬をさらった女性は、誰なのか

冠葉を好きな謎の女性が
女性からもらって嬉しくなかったプレゼントとして挙げていたことを
次々に繰り広げ「思いだせ」と言います

全てこの女性からのものだったらしいですね

また、日記のことを知っていて
最後には、苹果の残り半分の日記を奪いました

そして、「生存戦略!」と叫び、陽毬と似た帽子を被る
子供が登場します

この子は、9話の水族館で、隣でペンギンを見て喜ぶ子供と両親だったはずが
入れ替わっていた子です

この子も何者なのか・・・おいおい明らかになってきます

2. 苹果は、あれだけ大切にしていた日記の半分を
晶馬の命を脅され渡す


あれだけ大切にしていた日記を
晶馬の命を脅され、渡しました

庇ってくれたことで、気持ちに変化があったようです

<重要ポイント>

1. 10話まで謎だった女性の家(夏芽家)へ冠葉が出向く

10話でも、それを思わせるセリフがありましたが
小さい頃からの知り合いらしいですね

忘れさせるピストルを「あそこから持ち出したのか」と問いただす冠馬
自分達にも日記が必要だと言います

16年前の呪いとは?

2. 夏芽(真砂子)は、単独で動いていないらしい

日記と冠馬のことを報告し調べてほしいと
誰かと電話で話しています

それは誰か(おいおい明らかになります)

3.苹果が自分の思いに気づく

「君は君、他の誰でもない」
「お姉さんのふりなんかしたって、失ったものは取り戻せないよ」と現実を告げ
もうプロジェクトMは手伝わないという晶馬
そんな晶馬に、苹果は
「私が日記を持ってないから?」と尋ねますが返事はなく
「もう一人でやる」と別れを告げます

手段を選ばない方法としてネットに出ていた惚れ薬を作り
田蕗に飲ませる苹果
苹果にとって、田蕗と結ばれることは姉・桃花と一つになれることでした
土壇場になって、田蕗を愛していないことを自覚し
ゆりのサポートもあって晶馬を好きなことを自覚します


しかし、それは、これまで思い描き、目指していた世界を手放し
これまでしてきた努力が、無駄になることを意味します

すぐに受け入れられない
そんな思いを「あなたのせいだ」と晶馬にぶつけます

私たちは、何かを信じて向かっている時の方が
例えその方向が間違っていても充実しているものです
そして、それが崩れた時、混乱します
本当の幸せに気付いても、これまで信じていたものを
すぐに手放せない心理がここに現れていますね
それまでの自分を否定したくないし
労力を無にしたくないからです

「あたしはあたしだなんて、なんで言ったの?」
言われた時は、疑って、すぐに受け取れずにいましたが
ちゃんと心に響いていたことがわかるセリフです

苹果の呪縛(桃花にならなければいけない。私でいてはいけない、その方がみんな幸せ)が
解けた瞬間でした

4. 16年前の苹果の呪縛が明かされる

カレーの日(20日)は、姉・桃花の月命日で
桃花の好物のカレーを食べる日になりました

16年前の事件で姉は亡くなり
同じ日に、苹果は生まれたのです


姉の死と同時に生まれた自分は、桃花の生まれ変わりだから
桃花にならないといけないと、尚更に強く呪いがかかったのですね

5. 苹果のお姉さんが亡くなったのは、僕達のせいだと晶馬

どういうことか、次回、明らかになります

<重要ポイント>

1. 晶馬の苹果のお姉さんが亡くなったのは、僕達のせいだの意味が明らかに

16年前(1995年)の晶馬が生まれた日、父親は地下鉄事件を起こします
(母親も、その計画に関係していたらしい)
ポケベルで「セイゾンセンリャクシマショウカ」を合図に

「これで世界は、ピースされる」の言葉と呟きながら・・・

本作品は、実際の事件をモチーフに取り入れています
すべて丸の内線沿線だったのも、「だから」と言えます
事件発生日も同じです

また「セイゾンセンリャクシマショウカ」の言葉は
変身した女の子と同じ言葉で、つながりを感じさせますね

その日、桃花はその電車に乗っており
日記だけを残して姿を消してしまいました
そして同じ日、妹・苹果が生まれました

2. 「世界は再び闇ウサギを呼び込んだ。運命の日はすぐそこまで近づいている」

変身した女の子のセリフ(おいおい明らかに)です
「ピングドラムを手に入れろ、ヤツを止めろ」
そういうと陽毬は倒れました


また、冠葉は、運命の至る場所から来た者から
「陽毬は、今夜また死ぬよ」と言われていました


病院で瀕死の陽毬を祈りながら

晶馬が「メリーさんの羊」の物語を語ります
自分達をなぞらえた寓話です
その中に、世界で最初の木(りんごの木)と

唆す役として黒いウサギ(絵では2匹)が登場します

「罰は1番理不尽でないないと」と女神様は
陽毬の命を再び奪います


闇ウサギとは?
運命の日とは?
おいおい明らかになります

3. 再び、自分の命を渡そうとする冠葉が失敗


陽毬が瀕死の状態になり
「俺の命を分け与えただろう?」と
変身した女の子に詰め寄ります

1話で、代償として冠葉の命をもらっていたことが
判明します

また、自分の命を渡そうとする冠葉でしたが
失敗してしまいます


「どうして俺じゃダメなんだ!」と叫びます
これは、冠葉の呪縛と後になってわかってきます

<重要ポイント>

1. 医師・眞悧(さねとし)の登場

そらの孔分室の司書として登場した眞悧(さねとし)が
寓話の中で、誘惑し罪を犯させる黒兎と同じセリフと共に
冠葉の前に医者として登場します


そして「生存戦略しましょうか」の言葉に
帽子の世界と同じ繋がりを感じさせます

新薬を渡す対価について冠葉に問いかけます
命を担保にして大金を用意しようとする冠葉

眞悧(さねとし) :「そうまでする価値、彼女にあるの?」
冠葉 :「大切な妹だ」
眞悧(さねとし): 「その報酬として、君が得るものは?」「君に何が残る?」
冠葉 : 「俺は何も欲しくない、欲しいとも思わない、ただ陽毬さえいれば」

この作品は、人の価値について
選ばれず見捨てられる無価値な者と
自分の命よりも大切な無償の愛が向けられる者の価値とが対比されます

また、眞悧の視点は、対価・報酬など「取引」
冠葉と会話が噛み合いません

3. 3年前、両親が指名手配された日の回想

晶馬は、両親の罪を自分達家族で償わなくてはいけない
「どんなことをしたって償いきれない」と思っています
そして、陽毬の死も罰として受け入れなくてはいけないと・・・

本作では、「罪と罰」についても考えさせられます

4. 眞悧(さねとし)が16年前のことを語る

桃花は眞悧と同じ風景が見えていたが、眞悧を否定した
と眞悧はいいます

二人には、世界中の人の「助けて」が聞こえていたが
そのために、しようと思ったことは全く逆でした
(これもおいおい明かされていきます)

眞悧もまた16年前の事件に関係していたと推測するのに易いですね

5. 夏芽と日記を狙っているのが眞悧(さねとし)と判明

夏芽も、眞悧に対価を支払い、マリオの命を救ってもらったようです

6. 苹果と田蕗の高倉兄弟への思いが吐露

被害者側( 家族・友人)の加害者2世への複雑な感情が語られています

7. 苹果が、家族を元に戻すという執着を手放す


パパの再婚を祝うメールをします

ようやく、自分の「こうあらねば(執着)」よりも
相手の気持ちに寄り添うようになった苹果ちゃん❤︎
これも、第8話で、晶馬に言われた
「君は、田蕗やゆりさんの気持ちはどうでもいいの?」の言葉が
響いてのことかなと思います

<重要ポイント>

1. ゆりが男役パートナー(結城)とも大人の関係であったことが判明

ゆりは、田蕗と婚約していますが、劇中パートナー男役の結城とも
大人の関係を持っていることが判明します

が、ゆりから別れが告げられます


結城は追いすがりながら、体の秘密をバラすぞという意味の言葉で
脅します(それが何かは、おいおいわかります)

◆ゆりの呪縛
人気有名女優になって
「求められる特別な存在」になったはずのゆりでしたが

「未来永劫、誰も私のことを本当に求めたりなんかしない」
と孤独感を募らせています
本当の自分は「美しくないから求められない」がゆりさんの呪縛
「あなただけが、私を美しいと言ってくれた」とのセリフがありますが

「あなた」が桃花で運命の人だったと思っていることが判明します
また、なぜそんな呪縛を持っているのは、おいおい明かされます

2. 犯罪者2世の呪縛

◆犯罪者2世の呪縛
謝罪や償いを求められ
しかし、土下座をしても何をしても許されるわけでもない
自分達家族が徹底的に不幸になってダメになるのを
見届けるまで監視を続ける
みんな、自分達から離れていく・・・
そんな体験をしてきたことを窺えるセリフがあります、辛いですね

苹果が「そんなことで、晶馬くんたちから離れたりしない」
と言っても、素直に受け取れませんでした

これまでの経験から「そんなはずはない」と思い
一緒にいると責められている気がして
罪悪感が刺激されし、信じて離れられた時に辛いからでしょう
別れを選びます

ちなみに、見捨てられ感が強い人が
誰かと一緒にいたいのに、一緒にいる人ができたらできたで
見捨てられた時に傷つくのが怖くて、関係を深めるのを怖がり
その前に、自分から離れたり、壊すようなことをする傾向が
ありますね

3. 自分に振り向いてくれない冠葉に「どうしても私じゃダメってことね」と真砂子

真砂子の呪縛
「私じゃだめなんだ」冠葉と同じ呪縛を持っています
その理由は、おいおい明かされます

<面くらいポイント>

1. 苹果がゆりに連れて行かれた旅館と
冠葉が福引で当てて、泊まりに来ていた旅館が同じ

こういう都合のいい偶然は、エンタメには、よくありますからね!
ちょっとだけ、そのわかり方など苦しいけど^ ^

<重要ポイント>

1. ゆりは、苹果を桃花の代わりにしようとする

桃花がいなくなったのは、小学生の頃なので
ゆりと桃花がそういう関係だったとは思いませんが

ゆりは桃花と似ている苹果を桃花と重ねて
行為に及ぼうとしておりました

もしかすると、父親からの虐待により
男性が信じられず
助けてくれた桃花を追い求めて
女性を求めているのかもしれません

苹果も、桃花になろうとすることを
やめたとはいっても、まだその思考は抜け切らないらしく

桃花に似ていると言われ
桃花のことを話題にするのは憚れれていた家族だっただけに
桃花の話ができること、桃花の代わりになれることが
プラスの感情もあったようです
(晶馬への当て付けとやけになっていることは、もちろんですが)

2. ゆりの呪縛の原因が明らかになる


◆ゆりの呪縛:父親の虐待とマインドコントロール
ゆりの呪縛の原因が父親からの
虐待、マインドコントロールだったことが
明かされます

特に、マインドコントロールについては
がわかりやすく表現されています

マインドコントロールするセリフを
リプレイしましょう

「醜いものは誰からも愛されない
ママはゆりを産んでから、どんどん醜くなっていった

だから、この家にはいられなくなった
ゆりは、ママの子だから、醜い
愛される資格がない
このままでは、誰かも愛されない
もちろん、パパも愛せない
でも、パパなら美しい子にすることができる
パパの手で、美しく改造させておくれ
パパはゆりを愛したいのだから」


つまりは、どんな論理になっているかというと
「パパは、ゆりを愛したい
なのに、今のゆりでは醜いから愛せない
パパはゆりを美しくできる
だから、パパにゆりを美しく改造させておくれ 」

こう親に言われたら
「 愛されないのは私が悪い(醜い)からだ」
となりますよね

その上で、こうしたら愛せると言われたら
それに従うようになるし
その過程は我慢すべきものだと思ってしまう
「ダメな私のために、してくれている愛情」なんだと
と理解する構図になります

また「私は、醜いから愛されない」
自己イメージも出来上がります

人は、自己イメージを
「やっぱり」と思う出来事を自分で作って
自己イメージを正しいと強化していくものです

それがわかりやすく表現されているシーンが
学校で「お友達と二人一組になって
お互いの顔を描いてみましょう」と先生から
投げかけられたシーンです

ゆりは、ペアを作る際、みんながどんどんペアになる中
一人取り残されたようになります
その現実を「やっぱり、私は醜いから選ばれない」と
パパの正しさとして、強化します

でも、それは本当でしょうか?

ゆりが一人取り残された理由は
1.ゆりが普段から周りとコミュニケーションしていないから
2.ゆりが誰とも目を合わせず、ペアを探そうともせず
ただ、選ばれるのを待っていたから
(「どうせ、選ばれない」と諦めていたから)
3.ゆりは、逆に、美しいから、描くのが難しそうですね
プレッシャーもありそうです
1、2の理由がほとんどだと思います
つまり、「醜いから」ではないのです

あなたには、
「やっぱり、私は◯◯だから、できない」と思っていることが
ありますか?
例えば、太っているから、歳だから、無能だから
価値がないから、どんくさいから、女だからなどなど

そんな風に理由にしてることって
本当は「自分がそう思っているから、それを引き起こしている」ってことが
よくありますよ

あなたは、うまく行かないことを、何のせいにすることが多いですか
自分のせいではなく、やり方を見直してみることで
別の結果が手に入る可能せ高いですよ!

ちなみに、ゆりに桃花が声をかけて
二人はペアになりました


さて、パパによる
マインドコントロールの次のステップは
優しくしてくれる外の繋がりを排除することへ進みます

「その子を信じちゃダメだ
素敵な子って言うのはね、誰にだっていい顔をするんだ
自分がいかに素敵ないい子かってことをアピールするためにね
そう言う子に限って、甘いことを言った後、平気で裏切る
他人を信じちゃダメだ


本当にゆりを愛せるのはパパだけだ」


と教え込みます

ゆりは、完全に父親の支配を
絶対的なものと怯え、信じるようになります

マインドコントロールは
権威、恐怖、社会的遮断の3要素
です
(立正大学心理学部西田公昭教授)

ゆりの場合も
パパという権威
愛されない恐怖(子供にとって愛されないことは死を意味します)
外で優しくしてくれる桃花からの遮断
という方法をとられています

また、マインドコントロールにかかりやす人の
共通点が、こちらで紹介されていますよ

3. 桃花は、「運命の乗り換えができる」とゆりに打ち明けます


「あなたを信じない」と
ゆりに拒まれた桃花でしたが

信じてもらおうと秘密を打ち明けます


日記の呪文を唱えることで、人の運命を変えられる
そして、実行すると呪文を唱えた人が
代償(罰)を受ける(炎による火傷)と
・・・

桃花は、代償として自分が火傷を負うことを承知で
ゆりの運命の乗り換えを実行します

それによって、ようやく
それまでも言っていたけど届かなかった
「ゆりが大好き。ゆりは今のままでとても綺麗だよ」という
桃花の言葉を信じるようになります

そして、桃花が地下鉄事件を機にいなくなったことを
運命の乗り換えをしたのだと察し、
今度は私が日記を使って、運命の乗り換えをしようと
日記を手に入れようとしていたのでした
(実際、半分を奪ったのはゆりでした)

4. 陽毬が編んだマフラーを、眞悧(さねとし)がダブルHに送っていた

陽毬は「どうせ、喜ばない」とせっかく編んだマフラーを捨てようとします
眞悧(さねとし)が譲り受けて、代わりに送ってくれていたんですね

テレビの歌番組で、ダブルHは身につけ
「大切な友達が編んでくれたんです。私たち、すっごく嬉しくって」と
喜んでくれた

5. 眞悧(さねとし)の家族観

眞悧は、「冠葉がそう思っているのではか」との体裁をとり
家族観を語ります

家族というのは、一種の幻想。呪いのようなものだと思わない?
家族という名に縛られて苦しむ子供がどれだけいるか
愛という名の名目で、子供を私物化する親、殴る親
彼らが愛しているのは自分自身だけだというのに
子供はただ家族というだけで親を愛し、兄弟を愛さなければならない」


これは、こどもブロイラーに送られてくるような子のことを
言っているようですね

残念ながら、本当に離れた方がいい
一定の距離を取った方がいい家族はあるものです

6. 夏芽が語る承認欲求論(芸能人はということで語られる)


「いつも愛に飢えているんですよ。
幼い頃に、あなたは必要だって言われてことがないんです。
だから、大人になって、自分の生い立ちに復讐しようと躍起になる。
あなたじゃなくっちゃダメなの。そんな言葉をいつも求めている」

「常に誰かに必要とされていないと不安で仕方がない」


これは、芸能人はとして語られていますが
承認欲求が強い人は、その傾向がありますね
いくら承認されても一瞬安心するだけで
決して満たされることはないんですよね
そのせいで、消耗して苦しくなっていきます・・・
それを終わらせるためには
そんなことする必要がなかったと気づくこと。
その根本と向き合うことが一つの解決法になりますよ^ ^
(この辺りは、個人カウンセリングの領域です)

<重要ポイント>

1. 夏芽真砂子のバックグランド

真砂子は、祖父から受け継いだ会社の社長でした
父親が家に戻ってこないのは祖父のせいだと思っていた真砂子は
幼い時から、その祖父を殺す妄想ばかりしていた


口癖の「嫌だわ。早く磨り潰さないと」は
祖父の「磨り潰されたりせんぞ」の口癖から派生したものらしいですね

祖父を憎んでいるのに、気づけば、祖父を同じことを
してしまっている真砂子が描かれていました

「お母さんみたいには絶対ならない!」と思っていると
そうなってしまうのが世の常ですよね笑(否定命令)

父親から「父さんの代わりに、マリオを守ってやってくれ」と言われ
忠実に実行しています

呪われることになっても祖父をすり潰すと決心する真砂子に対し
「呪われるなら一緒に呪われてやる。それが俺たちを繋ぐ絆だ」と
幼い冠葉が言っています


10話での「忘れたの?あの時、私に言ってくれたこと」とは
この言葉だったみたいですね

2. 真砂子の祖父の顔


真砂子の祖父の顔は、張り紙「祖父」がされています
7話に出てきた、妄想の中のゆりのスポンサーも「権力者」の張り紙が
されていました
どうも、権力者や強欲者がそのように表現されてるようです

ちなみに、この作品は、最初から地下鉄以外の道ゆく人が
ピクトグラムで表現されています
それは、まさに、この作品の中で「何者でもない人」の象徴のように
思えます

今話は、それほど重要な点はなかったですが

これまで実行犯でない家族に対し、復讐する気持ちはないと言っていた田蕗が一転
「今日、僕は、高倉家の人間に罰を与える」というところで終わりましたね!!

<重要ポイント>

1. ◆田蕗の呪縛:条件付き愛の母親による呪縛


田蕗は、ピアニストの父と才能が好きな母を持ちます
田蕗が幼い頃、二人は離婚
母は「あの人はダメだった。才能がなかったのよ
桂樹、あなただけはお母さんを裏切らねいでね」と言われます


その後、「お母さんは、才能がある人が大好きなのよ 」と新進気鋭の作曲家と再婚
弟が生まれます

まだ誰も気づいていない時期から、その天才ぶりを察する田蕗
才能がない父を捨てた母を見ている田蕗は思います

「このままだと、僕はいらない子になってしまう。
だから、今、僕が一番であるこの時を止めてしまおう。
きっとお母さんは、続けていたら僕の方が上だったと慰めてくれるだろう。
もしかしたら、かわいそうな僕を今までより愛して・・・」


そんな望みをかけ(生存戦略として)
ピアノに指を挟み、ピアノを弾けないようにしています

しかし、その望みは打ち砕かれ、お母さんの愛は、弟へ
気づけば、「こどもブロイラー」へ捨てられていました

こどもブロイラーとは、いらない子供たちが集められる場所
(こどもだとドキッとしますが、
悲しいですがペットにおいてはされていることですよね)

そこで子供たちは、透明な存在になって、世界から消えてなくなります
子供たちは、ペラペラになり、シュレッダーのようなものに
かけられるのです

そこへ、桃花が登場します
桃花 「帰るわよ。あなたを必要とする人の元へ」
田蕗 「僕にはもう帰る場所なんてない。僕を必要としている人なんていない」
桃花 「それは私」
「放課後、毎日、音楽室でピアノを弾いていたでしょ。私はいつも聴いていた」


それを聞いて、田蕗はますます声を荒げます
田蕗 「じゃあ、君だって僕を捨てるんじゃないか。もう僕はピアノが弾けないんだからね」
桃花 「そんなの関係ない。私が聴いたのは、あなたの心だもの」


その言葉は、田蕗には信じられませんでした
田蕗は「完璧でないと意味がない」「1番でないと意味がない」
「そうでないと必要とされない」の呪縛を持っていたからです
田蕗には、理解できなかったのですよね・・・

「何かができるから必要とされる。できないならいらない」
条件付き愛で育つとそんな考え方になります

その結果、完璧主義になりやすいですね


「田蕗くんは田蕗くんのままでいなきゃ。
あなたのこと、大好きよ。だから、透明なんかにならないで」

と落ちる田蕗の手を繋ぎ止める桃花

バーナーの火で手を炙られますが
桃花は、離しませんでした

それを見ていられず、田蕗も「手を離せ」というが
「嫌だ」と言って離さない

「僕にはもう生きる意味がない」という田蕗に対し
だったら、私のために生きて!」という桃花でした

ちなみに、自分には価値がないと思っている人は
「透明になって消えたい」という願望がありますよね
なぜなら、自殺するにも、遺体も残るし
誰かに迷惑がかかってしまうからです・・・
初めから、自分をなかったことにしてほしいのですよね

田蕗は、こどもブロイラーから救われ
この時、ようやく
唯一の存在意義であったピアノをなくした自分でも
「自分は自分のままでいい」「その自分が認められた」
ように思ったことでしょう
呪縛が解けた瞬間でした

2. 田蕗が復讐に走ったわけ


どうやら、眞悧(さねとし)が
冠葉が父親の組織の残党からお金を受け取っている証拠の写真を
田蕗に渡していたからのようですね

眞悧は、人の心を操るのがうまいですね

田蕗は、冠葉から自分と同じように
1番大切なものを奪うため
冠葉の大切な存在、陽毬を殺そうとします

3. 田蕗が復讐をやめたわけ


結局、最後に落ちかけた陽毬を助けたのは田蕗でしたね

陽毬の命を繋ぎ止めるケーブルを
冠葉が手がちぎれそうになっても
「嫌だ。絶対離さない」
と言った冠葉を見て、桃花を思い出したのでしょう

***
必死に痛手を負いながら陽毬を繋ぎとめる冠葉と
陽毬の会話をリプレイすると

陽毬 「手を離して」
冠葉 「誰が離すか」と耳を貸しません
陽毬 「もういい、私のためにもう頑張らないで。もう十分。」
「田蕗さん、お父さんの罰は私が受けます。
だから、冠ちゃんと晶ちゃんは許してあげてください」

と自ら手を離して落ちようとする陽毬でした

陽毬の最後のセリフは
「ありがとう、冠ちゃん、でもこれからは自分のために生きて」
きっと、この言葉は、
桃花から田蕗へのメッセージとしても
伝わったのではないでしょうか

桃花からの「私のために生きて」の言葉で支えられていた田蕗から
「これからは、自分のために生きて」を受け取り、変わった瞬間でした

4. 苹果から晶馬へのメッセージ


その様子を、ずっとそばで見ていた苹果

晶馬が到着し、二人を抱きしめます

自分たちが悪いことをしたわけじゃないのに
理不尽に、罰を与えられる犯罪者2世の境遇に
打ちのめされる晶馬の背中に駆け寄り

「私は、違うよ。私は晶馬くんたちのこと、嫌いになったりしない。
私は受けれて強くなるよ、だから」


と言った後
タイトル「だから、私のためにいてほしい」と続きます

この作品は、最後にタイトルが出るスタイルで
それが、最後の台詞のような役割を果たすところもいいですよね
グッときますね

「被害者家族は自分を恨んでいる」
「あの事件の犯罪者2世だと分かったら去っていく」
その罰は受けるべきの呪縛を持つ晶馬は

前に「そんなことで、晶馬くんたちから離れたりしない」と言っても
信じず、去っていきました

そこで、もう一度言います
「私は、違うよ。私は晶馬くんたちのこと、嫌いになったりしない。」
なぜなら 「私は受けれて強くなるよ」
私がそうできるよう「私のためにいてほしい」

元々、人に頼まれると断れない優しいタイプの晶馬ですし
これは、晶馬に罪悪感なく苹果のそばにいる理由を
作ってあげていると言えるでしょう
「謝ったり何をしても許されない」と思っている晶馬に
「一緒にいることで、苹果のプラスになれる」との新しい道が作られました
呪縛に風穴が開いたことでしょう

前回「本当に、親父の行方は知らないんだ」と言っていた冠葉でしたが
両親とラーメン屋で会っているシーンから始まります

そして、両親からこの上なく承認されます
父「お前は本当によくやっている
父として誇らしく思う」
母「自慢の息子ね」

また、頼りにされ、長男として兄弟のことを託されます
父「ミッションが終わるまで、お前が高倉家を守るんだ」
母「晶馬と陽毬と助けてあげてね」


冠葉の言動には、
両親からの期待に応えようとする思いが
多々あることがわかります

学校では、田蕗が学校を辞めたことが判明しました

<重要ポイント>
1. 田蕗とゆりの結婚の真相が明かされる

二人は、愛し合っての結婚ではなく
桃花に救われ、大事に想い、亡くした悲しみを持つという共通点で
繋がっていたのですね

2. 高倉家から自分の居場所がなくなっていくことに不安を感じてくる陽毬


苹果が高倉家で、優しさから
陽毬がやっていた役割を担ってくれます
陽毬は、ありがたいけど、自分の居場所がなくなっていくように感じて
不安や寂しさを感じます

具体的には、自分のエプロンを使って食事の後片付けるなどが
高倉家での自分が、苹果に取って代われれる不安に繋がります

3. 眞悧(さねとし)の思惑が明かされる

真砂子は、運命の乗り換えを知らなかったようですね

眞悧(さねとし)の目的は「間違った世界を正す」こと

冠葉には
「君たちの親が叶えられなかった夢をその子供たちに実現してもらう」
真砂子の親も、地下鉄事件に関係しているニュアンスです

そして、真砂子を怒らせたのは、日記を燃やしてもらうためでした
「あれがあると、ゲームに勝てないから」

4. 晶馬の両親への想い

晶馬は、自分達の不遇を「両親のせいだ」と恨んでいました
でも、それは「両親から愛され、尊敬していた」からこそのものと言えます
それが覆され、幻想だった悲しみの反動でもあります

5. 真砂子は、陽毬に冠葉を奪われたと思っている

「陽毬が冠葉の妹のふりをいつまでもしているから
冠葉が私のところに帰ってこられない」が真砂子の主張

「記憶にないなら思い出させる」と思い出し玉で狙いますが
あたりはしませんでした
が、大きなファンが回る情景を見て、陽毬は、思い出します
こどもブロイラーでの出来事を・・・

6. 陽毬の真実


陽毬もこどもブロイラーへ行っていました
そして、助けてくれたのが晶馬だったのですね

晶馬「一緒に帰ろう。うちに帰るんだよ。僕たちは家族になるんだ」
陽毬「どうやって?私はあなたの家族じゃないよ」
晶馬「僕らには魔法がある。運命の果実を一緒に食べよう」
とりんごを差し出します
陽毬「選んでくれて、ありがとう」


陽毬は、晶馬によって高倉家へ迎えられたのであって
血の繋がりはありませんでした

<重要ポイント>

1. 事件を起こした側の論理

事件前夜、アジトで高倉父の意思表明から始まります

「この世界は間違えている

勝ったとか負けたとか
誰の方が上だとか下だとか
儲かるとか儲からないとか
認められたとか認めてくれないとか
選ばれたとか選ばれなかったとか
奴らは、人に何かを与えようとはせず
いつも求められることばかり考えている」


これは、承認欲求が強い人、
そして、承認されるために成功を求めている人たちの話ですね

「この世界は、そんなつまらない
きっと何者にもなれない奴が支配している


ここでも「きっと、何者にもなれない」のキーワードが
出てきました

ここで高倉父が言っている「何者にもなれない」は
承認されたくて成功したりしている人のことかと思います

つまり、承認されたい、すごいって言われたいと
思って行動している人は、他人軸であり
「自分が何者になりたいか」を持っていないですよね

「自分が何者になりたいかで動いていない人」
自分がないとも言えます
だから、つまらないと言っているのでしょう

「我々の世界には希望のたいまつが燃えている
これは聖なる炎
明日、我々はこの炎によって世界を浄化する
今こそ取り戻そう
本当のことだけで人が生きられる世界
これが我々の生存戦略なのだ!」


理想としていることはとてもいいですよね
けれど、そのためにしようとしていることは
殺害です・・・
浄化という綺麗な、いいことをしている風にするのが
そういう世界側では、よくあることですよね・・・
大義のためなら手段は選ばないというか
手段が飛躍しているように感じてしまいます
でも、「そうするしかない」と思い込む状態に
なっているのが洗脳でしょう

2. 自分の恋心を封印する陽毬

ここでも、哲学的な会話が繰り広げられます

陽毬:追いかけるのは疲れるから、しない
眞悧: それは「私からは近づきませんよ」というのと同じ。恋は実らない

陽毬: 逃げる人は、追えば逃げ続けて、果実を与えないんじゃないかな
眞悧: それをすると、楽ちんなゲームが終わるからね

眞悧:君は果実を手に入れたいわけだ
キスをするだけじゃダメなんだね
陽毬:キスは無限じゃないんだよ、消費されちゃうんだよ
果実がないのに、キスばかりしていると、 私は空っぽになっちゃうよ
空っぽになったら、ポイされるんだよ
眞悧:ポイされてもいいじゃないか。100回のキスをやり返すんだよ
陽毬:無理だよ、そうなっちゃったら、心が凍りついて息もできなくなっちゃう
眞悧:じゃあ、心が凍りついて息もできなくなるギリギリまで
キスを繰り返せばいい
陽毬:そんなのみじめだよ


陽毬:どうすれば?
眞悧:気持ちに任せろってこと。キスだけが果実じゃないかなー


ここでの果実とキスは、何のメタファーでしょうね
果実は、「愛」なのでしょうが
陽毬がいう果実は、「求められ、愛されている実感」で
最後に眞悧がいう果実は、「愛する喜び」と
別々の意味で使っているように思います
で、キスが「愛していることを表現すること」は一緒

これは、「愛されるために愛している表現をする」のか
「愛しているから愛している表現をする」のか
同じことをしていても
かたや「消耗していくこと」で、かたや「それそのものが喜び」であり
正反対の性質を持つと伝えてるのだと思います

これは、結果を手段と勘違いする
愛の陥りやすい点だと思います
つまり、
「愛している結果、愛を表現する」なのだけど
「愛を表現すれば、愛される」
逆も真なりと思ってしまうと言うこと

愛されるための手段が愛を表現することとなると

この時の、「愛を表現する」は
主に「尽くす」「言うことをきく」「役に立つ」で

その結果、「愛さる、愛されている実感」という結果が
伴わないと消耗していく、みじめになっていく
空っぽになっていきます

これは、先に挙げた
愛されている人は結果として、必要とされる
なのだけど

「必要とされれば、愛される」
「役に立てば、必要とれる」という論法があるんですよね

愛されたい人、特に自分に価値がないと思っている人が
持ちがちです

3. 事件から6年後、今から10年前のアジトでの思想

「 我々の志はまだ果たされていない
世間は我々を犯罪者と呼ぶ
あの日以来、多くの同志が不当に自由を奪われた
しかし、そんなことで我々の胸に燃える松明の炎は消せない

企鵝(きが/ペンギンの和語)の会と名前を改めたのも、奴らの目を欺くため
我々は、次の聖なる日に向け、粛々と準備を進めるのだ」


名前を改めてわからなくするというのは
よく使われる手ですね


ちなみに、元々の名前は、「ピングフォース」
1話目から、さまざまなピングフォースのロゴが入った物が
散見されます

静かに、さまざまな法人組織になっていて
知らないうちに、お世話になってお金を流していたなんてのも
現実でもありますよね
会社関連も、ピングフォースから「ピンググループ」になっています

実行犯側は「自分達は正しいことをしている」と
まだ信じていることがわかります

世間は犯罪者と思っているけど
正義はこちら側にある認識で
間違った世界にいる世間は、それがわからない
だから、志を果たすため、もう一度行おう!
と言う論法になっています

4. 真砂子と冠葉の関係が判明

そのアジトには、真砂子と冠葉、そしてマリオもいます
真砂子は、冠葉を「お兄様」と呼び
「私たちのお父様」と表現している通り、兄妹弟です

また、真砂子が使う忘れ玉も、ここにあったものでした
手には、KIGAのロゴ入りりんごを持っています

5. 陽毬と晶馬の出会い

陽毬は、企鵝の会が入っていたマンションの
共用部分で晶馬と出会いました

母親からネグレクトを受けており
マンションの共用部分で
冬にも寒い格好で一人でいるところに
晶馬が声をかけたのです

それから、差し入れを持って
よく行くようになった模様

捨て猫に対して、陽毬は
「いらない子どもだから
たぶん、最初は可愛がられたんだよ
でも、かわいいが消費された
だから、捨てられたの」


まるで、陽毬自身を投影しているようですね
自分の興味で、最初は可愛がっていたのに
飽きると、可愛がらなくなった・・・

ミルクをあげようとする晶馬に
「やめて、飼えないんでしょ
選ばれないことは、死ぬことなの」

もそうですね

下手に持続できない優しさを発揮することは
残酷なことと言っているよう・・・

捨て猫や小さな子供は
誰かが面倒を見ないと死んでしまうのです

ちなみに、猫の名前を「サンちゃん」と
陽毬はつけました
後に、ペンギン3号を同じサンちゃんと
名付けました

面倒を見てくれる人が見つかるまで
二人で飼うことにしますが
管理人に見つかって連れていかれます

陽毬は
「あの子は選ばれなかったのよ
この世界は
選ばれるか選ばれないか
選ばれないことは死ぬこと」


晶馬のせいじゃないと言います

そして、こどもブロイラーに
陽毬も連れていかれます

晶馬に
置き手紙とぬいぐるみを置いて・・・

「この世界は間違っている」とお父さんが
言っていた氷の世界

だから、お父さんたちは
浄化しようとする

が晶馬は助けに走ります


置き手紙には
・初めて声をかけてくれたとき、本当はすごく嬉しかった
・晶ちゃんを待つことができたから、寂しくなかったよ
待つって事は、辛くない事だって初めて思ったんだ
・このマフラーはもらっていくね
・晶ちゃんと出会ったことは宝物なんだ
だから、もう何も怖くないよ
・ 暖炉で燃え残ったすずの兵隊の心臓みたいに、だから幸せ
・私が世界にいたことを覚えていてくれる人がいるんだもん
・地上で最初の男と女の話、私知ってたよ
二人は罰を受けたんだ
生きるってことは罰なんだね
でも、罰でも晶ちゃんと一緒にいたかった
だから、選ばれたかった

と健気で泣けることが書いてあります
(そんなに長い手紙には見えなかったけど?はありますが)

ちなみに、ここで語られた「すずの兵隊」を
知らなかったので、動画でみましたよ

6. 同じ景色が見えていた 眞悧と桃花の正反対の対応

以前眞悧が、眞悧と桃花は、同じ景色が見えていたと
話していました
「助けて」の声がたくさん聞こえてきていたと・・・

だから、眞悧は間違った世界を正すため、壊そうとします
そんな眞悧を、桃花は否定しました
桃花は、目の前の一人を一人ずつ助けた

陽毬を助けに走った晶馬は
桃花と共通点がありますね

こどもブロイラーに、助けに行き
「目の前の一人を助ける」ことです

眞悧の高倉父も
高倉父も問題意識はあるものの
陽毬の話を聞いて
「手を出すことはできないし、救えない」と
言います

「この瞬間にも大勢のこどもたちが
透明にされている
それを放置しているこの世界も
間違っている、だから、我々は」


の続きは
「この間違った世界を、浄化する」
となるのでしょう

その言葉を最後まで聞かずに
晶馬は、助けに走ります

こどもブロイラーがどんな風に透明にするのか
行っても助けられるのかどうかもわからないまま・・・
そして、実際に助けるのです

もちろん、子供だからできた
大人は仕組みを変えようとする
はあると思いますが

一番の違いは
「その人と心と心の交流があるかないか」
「心を交わした一人の人として、識別できているか」
なのだと思います

この作品の言葉を使うなら
自分にとって「何者かである人と何者でもない人」の
違いなのだろうと思います

そして、何者かである人がそれぞれに増えていけば、
更に、想像力豊かに、自分にとって何者でもない人でも
誰かにとっての何者かである人だと理解することが
この世界から、非道な手段に出ることを抑制できる力に
なるのだろうと思います

つまり、
一人ひとりに「自分にとって大切な人」がたくさんできれば
自分にとって大切な人がいるように、
あの人にも大切な人がいるし、あの人も誰かの大切な人かもしれない
誰かの大切な人になっていくであろう人だ

そんな世界観、人間観の世界になったら
いいですよね

ちなみに、高倉父は
こどもブロイラーのこどもたちは
「何者にもなれない」と言っています

ここでの意味は
何者になるかそれ以前の問題
「大人になれない」を意味しています

7. 罪悪感に駆られる晶馬

高倉夫妻の実子は、晶馬だけと判明
だからこそ、晶馬は、「罰は自分だけが受けるべきだった」と言います

そして、陽毬に関しては
自分が高倉家に子供にしてしまったと・・・

「けど、晶ちゃん、陽毬は
“罰でも晶ちゃんと一緒にいたかった”って
言ってたじゃないのよーーーー
思い出してーーー!
高倉家に来て、陽毬は幸せだよーーーー」

あ、これは、この場面での私の心の叫びでした・笑

<重要ポイント>

1. 高倉家はミカちゃんハウス

カラフルなトタンや
家に似つかわしくない陽毬のベッドは

両親が家を出ていって
毎日泣いていた陽毬を
元気付けようとして
冠葉と晶馬がしてくれたことだったんですね

優しさに溢れていますね
しかも、陽毬が泣いていたのは

両親がいなくなったことよりも
冠ちゃんと晶ちゃんもいなくなってしまうように気がして
怖かったからだったなんて、二人は知らなそう^ ^

出会った頃から陽毬が持っていた
ぬいぐるみは、
その際、踏んで海賊のように修復
三人で暮らしてるっている証として
大事なものだと陽毬はいいます

2.高倉両親の現在の真実


冠葉が陽毬の治療費を
企鵝の会から調達していると
新聞記者から聞いた陽毬は

心配になり
冠葉をつけていきます

すると
冠葉は両親と密会するラーメン屋へ

冠葉が出て行った後
入ってみると、そこで見たものは・・・

すると、そこには
高倉夫妻の遺体が・・・
(そんななってたら、異臭があるはずとか
そういうことは、もういいことにしましょう)

これまで冠葉が両親と会っていたシーンは
冠葉の幻想だったんですね

ここで、高倉父は
「我欲に満ちた者たちが作ったルールに支配されている」
と言っています

20話では「何者にもなれない奴が支配している」
と言っているのですが
「何者にもなれない奴」=「強欲に満ちた者たち」でしょうか

どうもピッタリこない気がしています

ここは、別々に考えた方が良さそうです
なにせ、冠葉の幻想ですしね

冠葉の眞悧に対する思いと
言えそうです

確かに、ルールを作るのは権力者で
権力者の中には、自分達の欲のために
ルールを決めたり、変えたりしている人が
いますものね

眞悧も、陽毬の治療費を巡って
冠葉からはそう見えるでしょう

3. 眞悧の正体

眞悧の正体は
鷲塚医師の元助手であり
ピングフォースのリーダー

そして、事件当日、死んでしまった
ことが判明します

だから、今の姿は幽霊(呪い)

事件は、桃花によって邪魔されたが
かつての同胞からその子供に意志を引き継いて
もう一度、チャレンジすると言います

4.冠葉がついに犯罪に手を染める

冠葉は、自分と企鵝の会の繋がりを
かぎつけて調べていた新聞記者を
企鵝メンバーに命じて
事故を装ってやってしまいます

ついに、一線を超えた感がありますね

5. 田蕗とゆりの復讐

冠葉が幻想を見ながら
残党と会っていた
ラーメン屋へは

その後、田蕗も
高倉父をの居所を見つけたとして
やってきました

ゆりも現れます

もう復習が済んでいたとして
「帰りましょ、私たちの家に」
と誘います

そこへゆりを刺そうと
突っ込んでくる人が・・・

この部分については、次回に続きます

6. 晶馬と陽毬の別れ

冠葉が家を出て行ったことで
晶馬は、陽毬にも
家族ごっこはおしまいにすると告げます
このままだと陽毬も不幸になると・・・

もちろん、「不幸なんかじゃない」と陽毬は言いますが
聞き入れてもらえず、言われた通り
おじさんの家に行くと告げます

家を出る際、陽毬は晶馬にマフラーを返しました

「これが、私と晶ちゃんの絆だったから・・・
でも、返すね、これで私と晶ちゃんは他人だよ」


陽毬は
「私ね、あの時から、ずっとずっと晶ちゃんのこと」と
気持ちを言おうとしますが
「ごめん」「ごめん」と謝り続ける晶馬に
最後まで言えなくなくなっちゃいました

陽毬は、おじさんのところにはいかず
冠葉のところに行きました
命に変えても、止めるために・・・

7.冠葉が高倉家は来ることになった経緯

この回は、エンディングの後に重要なシーンがあります

企鵝の会で同胞だった冠葉の実父が亡くなり
お葬式で高倉両親は、冠葉を引き取ると告げます

◆冠葉の呪縛
ここでようやく冠葉の呪縛の原因が
明らかになります

冠葉は父に
「やっぱりお前じゃダメた
お前を選ぶんじゃなかった
私は家族に失敗したよ」
と言われたのです

「お前じゃダメだ」が冠葉の呪縛となりました

今回ラーメン屋での
高倉両親との幻想では
珍しく弱気になっていたからかもしれませんが
冠葉は、呪縛を救う台詞を(勝手に)聞いています

それは、高倉父の
「お前を息子に迎えた日のことを
誇りに思ってるよ」

これは
「お前を息子にして(選んで)よかった」と
言うことですものね(^_−)−☆

7. 冠葉と陽毬の出会い


お葬式で泣いている冠葉の頬に
陽毬が絆創膏を貼ってあげます
「これで痛くないよ」と笑顔をむけて

あの日、冠葉は誓ったと言言います
誓った内容は「お前を」までしか
言語化されていませんが
「あの時、誓ったんだ
俺はお前を守ると」でしょう

冠葉が陽毬を守るのは
高倉両親に頼まれているからもありますが
この時のことが大きそうですね

自分の悲しみを察し
何かしようとしてくれる
何より優しい笑顔は
泣いている弱い自分を
優しく迎え入れてくれる存在として
陽毬は冠葉を救ったのでしょうね

<重要ポイント>

1.眞悧の術中にハマる冠葉

眞悧は、冠葉に
もう陽毬に薬は効かない、死ぬといいます

陽毬の命を救う唯一残された方法として
君が僕たちの呪いに素直に従えばいい

と浄化の実行を示唆します

2.冠葉に陽毬が与えたもの

冠葉のもとへ行った陽毬は
「ありがとう、だから、もう十分。
ごめんね、今まで苦しかったでしょう」

と伝えます

「俺が選んだことだ」という冠葉に

陽毬は、冠葉が全てを犠牲にして
命までかけて陽毬のためにしてきたことを
見てみぬふりをしていたと謝ります

冠葉:覚えているか、陽毬
俺たちが家族になった日のことを
陽毬:覚えているよ
冠葉:お前があの時、俺に与えてくれたのものを
陽毬:与えた?私が冠ちゃんに?


前回のエンディング後のことを
冠葉は言っていますが
陽毬にはピンときていない様子です

そういうことって
私たちの普段でもよくあることですよね

その人にとっては
本当に救われたこと、感謝することでも

した本人にとっては
救おうとと喜ぶだろうとか
そんな思いはなく
なんとなく、ふとしたってことが

私たちは、役に立とうとしなくても
もっと言えば、自分のためにしたことでさえ
誰かの役に立ってたりするものなんですよね

だから、いいんです
「役に立とう!」と思わなくても
勝手に役に立ってますから^_−☆

陽毬は、
「やめて、恐ろしいことはしないで
私、もう死んでもいいから」
といますが

「いいや、お前が死んだら、俺はこの世界を許さない
陽毬、お前は俺の全てなんだ」


と言い残して去ってしまいます

3. 陽毬は、冠葉から奪ったと思っている

自分のために
全てを犠牲にする冠葉

陽毬は
自分があの日、あのまま死んでいれば
冠葉がそんなことにならずに済んだはず
と考えます

「神様、お願いです
私が見て見ぬ振りをして
冠ちゃんから奪ったものを
冠ちゃんに返してあげてください
どうか、冠ちゃんを助けてあげて
私が冠ちゃんからもらった全てを
命を返しますから」


陽毬は冠葉から「奪った」と
思っているんですね

冠葉にとって
守る存在(陽毬)がいることで、
強くなれ、支えられていることを
陽毬は知りません

与えていることに
気づいていないのです

愛すればこそ
命をかけても、何をしても助けたいと
思う冠葉ですが

そうされた側(陽毬)も
愛すればこそ、それをみるのは
辛いものですよね

4. 田蕗のゆりへの愛

前回のラーメン屋の続き
ゆりが刺されるところを
田蕗がかばって刺されてしまいます

刺したのは、結城
「僕のせいじゃない
全部、君が悪いんだ」と逃げていきます

愛を拒まれた
逆恨みですね
(振り方にも問題がありましたが)

そして、田蕗はいいます
「やっとわかったよ
どうして、僕たちだけがこの世界に残されたかが

君と僕は予め失われた子供だった
でも、世界中のほとんどの子供は僕たちと同じだよ
だから、たった一度でもよかった
誰かの愛しているという言葉が僕たちには必要だったんだ」

「予め失われた子供」と言うのは
上手に愛せない親の元に生まれた子供ということでしょう

そして「世界中のほとんどの子供は僕たちと同じ」は
親から「愛されてない」「愛されなかった」と
感じている子供がほとんどだということ

これは、ほんと、そう思います
この辺は、よくカウンセリングで扱うところです

もちろん、親側の問題もありますが
子供は勘違いしやすいからでもあります↓

勘違いに気づくと、世界が一変するんです^ ^

5. 冠葉と真砂子が別れた経緯

最初は、夏芽家の子供3人とも
ピングフォースの会合に出ていました

が、10年前
「真砂子とマリオは、ここにずっといてもらう」という
父親に対し、冠葉は
「父さん、俺がここに残るよ
だから、真砂子とマリオは、夏芽の家に返してあげて
普通の子にしてあげて」と説得します


それに対し、真砂子は
「ダメー、お兄様、真砂子を離さないで」と叫びながらも
戻されてしまのでした

◆真砂子の呪縛
この時から「自分は選ばれなかった」
「自分じゃダメなんだ」の呪縛が生まれました

5. 真砂子をかばう冠葉


包囲された冠葉のもとに
冠葉を救おうと真砂子のやってきます

真砂子を追い払うやり取りが続きますが

いざ、警察からの攻撃に
咄嗟に、冠葉は真砂子をかばいます

◆真砂子の呪縛
「真砂子を離さないで」
これが夏芽家へ戻されたあの日から
ずっと心が叫んでいた言葉です
それが叶い、呪縛が解けた瞬間でもありました

真砂子とマリオが戻されたのは
冠葉が二人を守るためでしたが
幼い真砂子にはわからなかったのです

いや、成長するにつれ
頭では理解してきていましたが
呪縛はなかなか外れなかったのです

でも、呪縛が解けた真砂子は
今度は私の番と思うのでした

<重要ポイント>

1. 眞悧のいう箱

「世界はいくつもの箱だよ
人は、体を折り曲げて自分の箱に入るんだ
ずっと一生そのまま
やがて箱の中で忘れちゃうんだ
自分がどんな形をしていたのか
何か好きだったのか、誰を好きだったのか

だからさ、僕は箱から出るんだ
僕は選ばれし者
だからさ、僕はこの世界を壊すんだ」


ここでいう箱は
私たちの価値観のメタファーと思われます

最初は、親の価値観の箱に入り
親に好まれるように行動しようとします

箱に入っているときは
箱に入っていることすら
気づかないものです

他人軸で、親や人に合わせてばかりいると
自分が本当は何が好きか、
何がやりたいのかがわからなくなるのです

他にも、自己イメージの箱や
日本人などアイデンティティの数だけ
箱はあるでしょう

2. 事件後の眞悧と桃花

桃花は、地下鉄事件当日
現場にいる眞悧と対峙します

桃花の運命の乗り換えの呪文は
半分までとなり、痛み分けとなります

桃花は、2つのペンギン帽
眞悧は、2匹の黒うさぎ
となったことを示唆する絵で終わります

3. 眞悧は魔法で、一旦亡くなった真砂子を生き返らせる

真砂子は、冠葉の命を繋ぎ止めるため
自らを犠牲に警察の前に出て行きます

警察からの攻撃を受け
瀕死の状態で息を引き取りましたが
眞悧の魔法で生き返ります

そのことで、冠葉に
眞悧に従えば陽毬が救われることを
信じさせます

この場面で、真砂子が
双子の妹であると明かされました

つまり、冠葉と真砂子、晶馬と苹果が同じ誕生日
そして、その日は、桃花の命日(眞悧も)

ちなみに、冠葉も傷を負ったはずですが
包帯は巻いていますが、
もう企鵝の会で働いているよう・・・

4. 見つけてもらえる子

幼い頃、潮干狩りで迷子になった陽毬を
冠葉と晶馬が必死に探して見つけてくれました

冠葉と晶馬を見るなり、大泣きした陽毬
その涙のわけは

「私は、見つけてもらえる子供になれたんだって
だから、嬉しくて泣いたの
どんなに遠く逸れてしまっても
冠ちゃんと晶ちゃんがきっと私を見つけてくれる
誰かに見つけてもらえるって幸せなことだね」


迷子になって見つけてもらう
一見当たり前のことですが
それは、見つけれもらえる子なのであって

その幸せを感じることができるのは
そうでなかった時期がある陽毬だからこそですね

「ない」という不遇は、その時は辛いけど
「ある」幸せを誰よりも感じさせてくれます

5. 冠葉が晶馬を打つ

衝撃的でしたね

でも、命には別状はないようでした

ピングフォースの玉を打たれたようですが
記憶を忘れるでも、思い出すでもしていないので
ちょっと謎です

6. 日記の半分が、ゆりから苹果に返される

自分でなんとかしようとしていたゆりでしたが
桃花が苹果に日記を託したのだからと
桃花の思いを尊重し、
奪った日記の半分を苹果に返しました

その時、呪文と運命の乗り換えについて
苹果が知ることになります
それを使えば、大切な誰かを救うことができると

その時点では、運命を乗り換えようなんて
考えたことがなかった苹果でだったが

それをするのが今で、陽毬を助けるのだと
桃花から言われているように感じます

7.日記が燃やされる

冠葉から苹果へ連絡があり
日記のもう半分を手に入れたから
力を合わせて陽毬を救おうと言われます

苹果は、日記を持ってきてほしいと
呼び出されます

が、それは罠で
日記を燃やされてしまいます

日記と苹果の存在があると
また桃花に浄化を阻止されるのではないかと
眞悧は恐れていたといいます

「でも、君のためにはこれでよかったんだ
呪文を使えば
その代償として呪いの炎に
その身の全てを焼かれちゃうからね」

という眞悧

真砂子宅から回収した日記も
眞悧に命じられ、冠葉が燃やしてしまいます

もう日記は存在しなくなりました

8. 桃花から晶馬へメッセージが直接届けらる

撃たれたと思っていた晶馬が目を覚ますと
陽毬は拐われていました

ペンギン帽から桃花の声がし
語りかけます

運命の列車がもうすぐ出発する
あれを止められるのは
晶馬と冠葉だけ

そして、その列車で
あなたたちのピングドラムを見つける

と予言されます

9. 眞悧側の理論

「僕は何者にもなれなかった
いや、僕はついに力を入れたんだ
僕を必要としなかった世界に復讐するんだ
やっと僕は透明じゃなくなるんだ」

「何者にもなれない」は最初からのキーワードでした

20話で高倉父が
「自分が何者になりたいかで動いていない人」
「大人になれない」の意味合いで
使っていたと思われますが

全体的には
「名を残せない者」の意味で使われていると思われます

その方法は
・有名になる
・権力者になる
・成功する
など、必要とされる者の象徴でもあります

でも、眞悧はそうなれなかった
お医者さんの世界も
ドラマの世界でしか知りませんが
色々ありそうですものね

僕を必要としなかった世界
何者にもなれたかった世界

そうならなかったのは
世界が間違っているからだとして
復讐に世界を変えるため大きなこと(犯罪)をする

そして、無名(透明)から
有名(何者か)になろうとする

大事件を起こす動機として
あり得るものです

たとえ、それがトップの本当のところであっても

組織として大きくしていくときには
もっともらしい美しい理由・大義がつけられ
( 確かにっていう社会問題だったする)

そのためには、これをすることが必要だと
こうするしかないと
マインドコントロールされる

浄化など罪悪感の抱かない言葉で犯罪を覆う

大義名分と正義が作られます

特に、実行犯となる人は
それを本当にいいことだと信じている

この作品では
そんなことが描かれているように思います

「人間というのは不自由な生き物だね
なせって、だって自分という箱から一生出られないからね
その箱はね、僕たちを守ってくれるわけじゃない
僕たちから大切なものを奪っているんだ
たとえ隣に誰かいても、壁を越えて繋がることもできない
僕らはみんな一人ぼっちなのさ
その箱の中で、僕たちが何かを得ることは絶対にないだろう
出口なんてどこにもないんだ
誰も救えやしない
だからさ、壊すしかないんだ
箱を、人を、世界を」


ここでの箱は
「箱=価値観」であり
認知の限界を言っているように思います

私たちは、同じ色を見て「赤」と言っても
本当に同じように見えているかは
確かめようもありません

同じ言葉を使っていても
別の意味で使っていて
すれ違うこともあります

いくら愛していても
いくら言葉を尽くしても
その人のすべてをわかることはできない

また、その人の価値観にはじかれ
分かってもらえていないと
感じてしまうことがある

そんな孤独を感じた人の
言葉のように思います

私たちは
自分の価値観にないことは
そもそも見えなかったり
言われても、ピンとこなかったり

当たり前すぎて
気づかないこともあります

10.箱の中の冠葉と晶馬


前回のエンディング後でも
予告的にチラッと出てましたが

10年前、冠葉と晶馬は
それぞれ、ピングフォース印のオリ(箱)の中に
入れられていました

どうして入れられたのか
何日経ったのかもわからない状態で
目の前の檻に互いがいたのです

次回に続きます

最終回、観ましたかーーー
音楽も壮大で、ものすごく厳粛で神秘的な世界を
目撃したような感動に包まれました

振り返りましょう!

運命の列車がついに走り出しましたね

列車(地下鉄)に陽毬のベッドがあるとか
そういう幻想的なところは、もう気にならなくなっていますよね?^ ^

<重要ポイント>

1. 箱の中の冠葉と晶馬

なぜ、そこに入れられているのか
本作では特に触れられていませんが

想像するに
一番しっくりくるのが

ピングフォースのロゴ入りなので
もしかしたら、何歳かになったら
そういう儀式がある

ってことでしょうか

二人は、消えゆく互いの命の前に
「もし、どちらかが生きてここを出られたら
そいつがもう一人の代わりにしたいことをする
俺は、大切な人に伝えてほしいことがある」


“大切な人に伝えてほしいこと
伝える”約束をします


ここで重要なのは
冠葉の方にのみ、りんごが入っていたこと

そして、
「冠葉は、選ばれたんだ
これで決まり、生き残るのは冠葉だ」


もしかして、それも
そういうことをする儀式なのか?!
と思ってしまいます

そう言われた冠葉でしたが
りんごの半分を

「運命の果実を一緒に食べよう」
晶馬に渡します

りんごを渡すとき
りんごを受け取るのではなく
晶馬が冠葉の手を握るところに
グッときましたー

りんごを分け与えたことで
二人とも助かります

2. 生きるとは罰

キリスト教では
アダムとイブがりんごを食べた罰で
楽園を追放されたことから
「生きることは罰」と定義つけられています

よく聞く「原罪」って何?
最初の人類、アダムとイブは、神の命に反して善悪を知る木の実を食べる。
掟を破った二人を神が楽園から追放し、罰として労働と死を運命づけたーーー
キリスト教では、木の実=性の楽園と解釈され、二人の犯した罪は「原罪」として全人類が負うことに。そして、教会を通じて許しを得る贖罪の考えに結びついた。

宗教と世界


ちなみに、旧約聖書では、「罪」と明記されていないのですが
キリスト教で原罪と結びつける解釈になったそうですよ

宗教について、これまでよく知らなかったので
こちら↓でも、勉強させていただきました


陽毬が、変身世界で
でも、陽毬本人の意識で語ります

「生きるってことは罰なんだね
私、高倉家で暮らしている間
ずっと小さな罰を受けていたよ」


しかし、その小さな罰の具体例として
挙げられているのは

晶馬から受けた罰としては
家訓を守ったり、躾として教えられたり
冠葉から受けた罰としては
言ってもきいてくれない困ったことでした

どこの家でも
誰と暮らしてもあるようなことですよね

「それでも、私たちは一緒にいたよ
どんなつまらない罰も大切な思い出」


そういうのって、結局、
その人がいなくなったら
その人らしさとして
懐かしく思い出される部分だったり
寂しく思うような部分だったりしますよね、きっと

3.冠葉の苦しみ

冠葉は、陽毬に「まだ何も与えていない」と
思っていたんですね

「もう、いいよ」は
もう十分すぎるほどだよの意味なのですが

「お前ではダメだ」の呪縛があるので
頭ではわかったとしても、心の深いところで
「お前にはできないから、もういらない、他の人にやってもらう」と
聞こえてしまうのかもしれません

だから
見捨てられるような悲しい気持ちが
湧き出てきてしまうのかもしれませんね

4. 冠葉と晶馬、正反対の二人

「うちの壁にペンキを塗ろう
と言ったのは冠葉だった

僕は、反対したよ
これ以上目立ってどうするんだって

そしたら、言ったよね
陽毬が笑顔で帰ってこられるのがうちなんだ
そのためには、何でもするって」


両親がセンセーショナルな犯罪の首謀者で
逃亡していると連日ニュースになって
世間から見張られている状態ですから

晶馬の言う「目立たないように」
って思いも、分かりますよね

でも、冠葉は
自分達は「何を大切にするか」の軸が
ブレませんでした

十分に、陽毬に与えているのに
今の陽毬が笑顔でないと
与えられていない証として
受け取ってしまうのでしょうね

そして、考え方の違う二人だけど
「陽毬への思い」は共通で
それが、二人を結びつけていました

そう言う意味でも
陽毬は、ただいるだけで
大切な役割を果たしている存在だった
と言えます

■ペンギンについて
ペンギンたちは、当初は
グッズ販売になるものとして
大人の事情で入れられたキャラクターでしたが

親から愛されない子供たちの悲しい物語の中で
癒される貴重な存在となりました

「いるだけでいい存在」
その象徴となったと、後に監督さんも
おっしゃっています

そして
ペンギンたちは、その人の本質を
表していたように思います

5. ピングドラム

「返すよ、あの日、兄貴が僕に分け与えたもの
僕にくれた命
僕たちの愛も僕たちの罰も、みんな分け合うんだ」
と晶馬

命も愛も罪も、分け合う
それが家族と言えるのかもしれませんね
(血の繋がりではない)

そして
「運命のりんごを一緒に食べよう」ってことは
互いの罪を一緒に受けようと同義語なのかもしれません

ピングドラムとは
命であり
その命を分け与える愛

それは
冠葉が晶馬にりんごを分け与えたことで繋ぎ止められた命
晶馬がこどもブロイラーから陽毬を救い出した命
この2場面では「運命のりんごを一緒に食べよう」の言葉が
使われています

また、冠葉が病気の陽毬に分け与えた命
(変身後の女の子が代償してとった)

そして今
晶馬のピングドラムが、陽毬を経由して冠葉に返されました

前回、桃花から予言された
「あなたたちのピングドラム」が
これってことですね

冠葉は二人に渡していたので
一人消耗していたのかもしれません

本来、晶馬から冠葉に返せばいいのですが
わざわざ陽毬を経由してるのは

陽毬→冠葉 の矢印ができることで
3人の愛の循環の完成するからでしょう

冠葉は陽毬のために生き
生かされていたとも言えるので

その矢印は、もう十分完成しているように
感じますが^ ^
「分け与える」が重要なのでしょう

でも、だからこそ、形だけ経由しても
成立したのかもしれません

6. 呪文

日記を燃やされてしまった苹果でしたが
運命の列車に乗り込み、乗り換えを発動させようと試みます

呪文は
桃花が一番大切にしていた言葉だったはずですが

苹果は、陽毬が一番大切にしていた言葉を
ダブルHから聞き
それが呪文であるとかけることにします

眞悧「でもいいの?
呪文を使うと君が代償を払うんだ」

苹果「罰なら受ける
それでも私は、大切な人を救いたいの」


苹果が救いたいのは
直接的には陽毬
そして、何より
晶馬がそれを望んでいるから

「運命の果実を一緒に食べよう」
自分の身が焼かれることを承知で叫びます

7.眞悧の負け惜しみ

運命の乗り換えが始まり
浄化(テロ)は実行されてないことを知り
眞悧は、冠葉に負け惜しみとも言える言葉を
投げつけます

「君たちは、決して呪いから出ることはできない
僕がそうであるように
箱の中の君たちが何かを得ることなんてない
この世界に何も残さず、ただ消えるんだ
チリひとつ残せないのさ
君たちは絶対に幸せになんてなれない!」

7.運命の乗り換えが始まる

運命の乗り換えが始まり
列車の行き先は、命と蠍の炎へと分かれます

「生きる者」と「愛による死を選択した者」です

陽毬を命側へ乗り換え換えさせるため
冠葉が抱きかかえ運びます
その時、
冠葉の体は、こどもブロイラーの子供たちのように
ガラスのかけらとなっていきます

「本当の光を手に入れた」と冠葉

これは、その前に
眞悧が言っていた光を
「偽物の光」としての対比ですね

その時の
眞悧のセリフをリプレイすると
「人はね、光が必要なんだ
そして、彼はようやく見つけた
光を、希望を
それだけが彼の生きる意味なんだ
なのに、今、世界は彼から光を奪おうとしている
君も世界に加担して、彼を闇の中に置き去りにしているんだよ
僕だけが彼を救ってあげられるんだ
光に届く力を彼に与えられる
君は彼に何を与えられる?」


この最後の一行をきっかけに
晶馬は冠葉から与えられたものを思い出して
ピングドラムに辿り着いたので
感謝なのですが^ ^

光の話に戻ると

このセリフは

冠葉にとって
陽毬が助かることが光(希望)であり
陽毬がいない世界は闇だと思っていたことを
意味しています

だから、その唯一の方法として
「テロを実行すること」と眞悧は
提示していました

冠葉は
その光に向かっていたのです

でも、それは
陽毬は自分の全てで
陽毬がいないと生きていけないという
ある意味、利己的なものだったのではないでしょうか

冠葉がピングドラムを受け取り
苹果により呪文が唱えられたことで
テロは食い止まります

その時、
冠葉は本当の光を見つけます

本当の光(希望)とは
自分が生きていくために
陽毬に生きていてほしいと願う(執着)
闇の恐怖からではなく

ただただ陽毬さえ生きてくれたら
自分はいなくなってもいいという

自分よりも大切な存在として
本当の愛に変わったことを
意味しているのだと思います

8. 呪文を叫んだ苹果のその後

代償として炎に包まれる苹果でしたが
晶馬が「これは僕たちの罰だから」と
炎を引き取り、苹果を命側へと乗り換えさせます

「ありがとう、愛してる」と晶馬
伝えられてよかったですね

離れ側、苹果が晶馬の手をもう一度とって
命側へ手繰り寄せようとする姿にグッときました

そして、サンちゃんはぬいぐるみを持って
また、箱詰めされます

9. 白黒のテディドラムが表現するもの

変身後の世界(クリスタル・ワールド)では
いつも白と黒のテディ・ドラムがついになっていました
特に、今話では、表裏一体のように表現さます

これは、陰陽マークをイメージさせますね

陰陽マーク


思えば、陰陽も、この作品のテーマだったように
思います

例えば、白の桃花と黒の眞悧
正義の白と黒の側面
愛を巡る「愛されたい(他人軸)」と「愛すること(自分軸)」
などです

10. 田蕗とゆりがこの世界に残されたわけ

田蕗「やっとわかったよ
どうして、僕たちだけがこの世界に残されたのかが

君と僕は予め失われた子供だった
でも、世界中のほとんどの子供は僕らと一緒だよ
だから、たった一度でもいい
誰かの愛しているという言葉が必要だった」


ここまでは、ほぼ22話と同じ

ゆり「たとえ、運命が全てを奪ったとしても
愛された子供は、きっと幸せを見つけられる
私たちは、それをするために、世界に残されたのね」

「愛してるよ」「愛してるわ」


子供の頃の親の影響は大きいです
親から十分「愛されてる」と感じて育つと
その後の人生も健やかです

ゆりが言うように、どんな状況になっても
また立ち上がり、幸せを見つけられることでしょう

ぜひ、二人には、そんな子供を育ててほしいと
願うばかりです

私も仕事を通して
そんな大人(親)を増やしたいと思っていますし

愛された感が不足しているせいで
今、親として苦しい人、人生がうまくいかない人の人生の
乗り換えを手伝っているようなものですね^_−☆

11.乗り換え後の世界

陽毬と苹果は
テロが止まり
何事もなかった電車で
一緒に倒れていました

冠葉と晶馬は消えてしまい
みんなの記憶からも消えています

でも、真砂子は
兄の存在を夢で見ました

陽毬は
同じ場所の家で
おじさん夫婦に育てられています

家の中や、飾ってある写真など
微妙におじさんたちとの生活感に
溢れています

苹果とも電車で同時に倒れていたことを
きっかけに友達になりました
病気もなく元気な様子

そこへ、サンちゃんが
あのぬいぐるみを届けにきます
陽毬にはもう見えないよう・・・

ぬいぐるみを見つけた陽毬は
ぬいぐるみのお腹から
顔を出しているメモを引き出します

開いてみるると
そこには

「大スキだよ!!
お兄ちゃんより」

の文字

これは、オリの中で約束した
「大切な人に伝言を伝える」が
果たされたものなのだと思います❤︎

陽毬は、お兄ちゃんの存在を
忘れているので「誰?」と
思いますが
なぜか、涙が溢れて止まりません

このお兄ちゃんは
冠葉と晶馬なのか

それとも、晶馬は
苹果に「愛してる」と言えたので
(きっと、忘れられちゃったと思うけど)

冠葉だけの言葉なのか
わかりませんでしたが

劇場版後編で明らかに
なりました

二人からのメッセージでした!

そして、1話で通りすがりの2人の男の子が
銀河鉄道の夜について話しているシーンに
似たシーンが続きますが

その男の子の髪の色は
冠葉と晶馬の色で

その二人に
ペンギンたちがついて行きます

「死んだら全部おしまいじゃん」
「おしまいじゃないよ
むしろ、そこから始まるって
賢治は言いたいんだ」


この子たちが冠葉と晶馬で
輪廻転生で、どこかで生まれた世界に
なったのかはわかりません

なんせ、ペンギンが
ついて行ってるから
そうなのかなと思わせます!

でも、それなら
どうせなら、もっと陽毬と苹果と
同じ歳くらいにしてくれたら
いいのにーーー

そしたら、どこかで
出会って、また恋に落ちるかも?
と思いましたが

あの子たちでも
それは、あり得ますよね!!

「お終いじゃない
むしろ、そこから始まるんだ」

それがどんな風になのか
想像が膨らむラストでした

12.眞悧はもう一度、実行しようとしないのか?

眞悧は負け惜しみで
チリひとつ残せないと
言っていたけど

冠葉と晶馬は
メッセージを伝えられました

そして
二人の記憶はないけれど
陽毬には、きっと
誰かに深く愛された記憶は
残っていて、それが涙に
なったのでしょう

田蕗とゆりが言うように
二人は記憶がなくなる運命になったけれど
きっと幸せを見つけられるはずです


そもそも、眞悧と桃花は
同じ景色が見えていた

人々の助けを求める声

眞悧は
この世界を壊すことで
苦しい世界を終わらせようとした

桃花は、目の前にいる一人づつを
ありのままのその人を受け入れる愛で
助けていった

そして、愛の力で
眞悧を止めることができました

眞悧は、電車はまた来るかも
といいますが

桃花は、私はもう行く
さようならと去っていきます

眞悧も、今回、みんなの愛を見て
今の世界を見守ってくれることを
祈ります

13.冠葉と晶馬らしき子供の行き先

「どこに行く?」
「どこに行きたい?」
「じゃあ・・・」


ある意味、呪いが解け、とても自由に
自分達の行きたいところに行けてそうですね

14.「愛してる」「ありがとう」のラスト

ラストのタイトル「愛してる」と
その後、オールキャストで
「ありがとう」にグッときました!!

<ラストが悲しかった人へ>

ラストが悲しい感じがした人は
劇場版を観ることをお勧めします

私も、前編は見ていませんが
後編は、お勧めですよ!!

スッキリします!

監督の舞台挨拶付きで観てきました!


私がハマった時期には
東京の舞台挨拶は終わっていて
京都まで行ってきましたよ!

でも、監督さん一人の舞台挨拶だったこともあり
椅子に座ってプロデューサー 池田さんとの
トークショーで

上映後だったので
ココだけの話を含め色々なお話が伺えて
満足感が高かったです

この作品はクラウドファンディングで
資金が集められたようですが
その頃知っていたら、ぜひ、参加したかった!

とエンドロールをみて
改めて思いました

劇場版は、基本的に総集編で
プラスされている部分もあるとの前情報でした

プラスされる部分があるとは言っても
劇場版にするのに
短くするために繋ぎが必要な部分ってことかなと

そんなに影響ないんだろうなと

期待値は低かったので
実は、劇場版を観るモチベーションは
低かったのです

でも、監督のお話を伺いたく
観に行った次第でした

ほら、監督さんって
普段、人前に出ることって
少ないじゃないですか

結論としては、観てよかったーーー!!
モヤっとしてたところが、
スッキリしましたーーー❤︎

アニメの放送は
2011年で大震災の年
災害後の日本情勢の中での
メッセージだったと思いますが

劇場版は、コロナ禍

これまた独特な雰囲気の中で
日本だけでなく世界が沈んでいる時だからこそ
伝える必要があるメッセージが
ストレートに盛り込まれていました

(アニメでも隠には盛り込まれていたと思いますが)

そのポイントは

1. 「何者にもなれないお前たち」が回収された


すっと使われていたこの言葉は

最後に「何者にもなれるお前たち」に
変わりました!!

2011年のアニメ版では
「何者かになりなさい」のメッセージで育てられ
「何者にもなれない」苦悩を抱えるものへ

「何者にもなれないお前たちへ」と
言い放たれることは
強烈なインパクトでした

現代では「何者にもなれない」ことが
世間に浸透し、蔓延している

だからこそのメーセージとのこと

(これは、監督がおっしゃっていたと記憶しています)

希望が持てるメッセージは
やっぱり、投げかけられると気持ちがいいですね

2. 何者かは自分で決めていい!


「何者にもなれるお前たち」の話は先ほどしましたが
それだけを言うのではなく

「何者にもなれる」とは、どういうことかを
ちゃんとフォローしているところが
さらによかったです❤︎

アニメ版のテロ側の「何者かになる」とは
成功して、権力を持ったり、有名になって名を残すことでしたが

この劇場版で「何者にもなれる」と
言っている意味は

自分が何者かは自分で決めていいんだよ!

とのメッセージがちゃんと入っていました♪

劇場版では
「僕たちは、陽毬のお兄ちゃんだ!」
と冠葉と晶馬が言っていました

私たちは、何者にもなれるし
何者かは自分で決めていい!

このメッセージが、きっと観た人の背中を
力強く押してくれることと思います!!

3. ピングドラムが、私たちに輪ってきた!


劇場版では、晶馬がりんごを持って
カメラ目線でりんごを差し出す場面があります

これは、私たちに向けたもの
私たちにりんごが輪ってきたことを意味します

このことは、監督さんも
おっしゃっていました

ちなみに、そもそも
タイトルに「輪る!」の漢字を使ったのは
東日本大地震の時の輪番停電からきたとう

輪番停電とは、いつか自分に順番が
回ってくることを意味するから

もらった私たちは、次に誰に差し出すのか
そんな関係性を日々の中で
作っていくことが
命題ですね^ ^

アニメ版よりも
いい後味でした

****

劇場版は、1度しか見ていないので
早く動画で何度も観たいです♪

本作の大きなテーマの一つに「自己犠牲の愛」があります
ざっと思い出した順に書いても、こんなにあります

・陽毬を助けるために、顔に傷と負った高倉母
・冠葉を助けるため、腕に傷を負った高倉母
・苹果が車に撥ねられるところを、身がわりになって助けた晶馬
・ゆりが刺されるのを身代わりになった田蕗
・真砂子を庇って怪我をした冠葉
・冠葉を逃すために、身を挺して囮になった真砂子
・マリオをフグの毒の危険から守るため、自分が全部食べた真砂子
・真砂子とマリオを、普通の生活をさせるため、自分が残ることで夏芽家へ帰した冠葉
・晶馬に、りんごの半分を分け与えた冠葉
・陽毬(晶馬)を助けるため、身を焼かれることを承知で、呪文を唱えた苹果
・呪文を唱え、燃えた苹果から炎を譲り受けた晶馬
・陽毬を助けるため、悪に手をそめる冠葉(これは、手段は悪だったけど)
・陽毬を助けるため、自分の命を差し出そうとした冠葉(2回目はダメだったけど)
・運命の乗り換えをするため、代償を承知で呪文を唱えた桃花
(ウサギ、ゆり、田蕗、テロの犠牲になる人たちのため)

ここに挙げたものは、
もしかしたら、相手が愛する人でなくても、咄嗟に身代わりになる場合もあるでしょう
(銀河鉄道の夜のカンパネルラが助けた相手は、あまり好かれていないお友達でしたし)

けれど、自己犠牲を伴う愛は、基本、無償の愛による行動です
(冠葉の愛は、利己的な部分が入っていましたが)

「無償(無条件)の愛」は、究極の愛であり、本当の愛と言えるでしょう
そして、自己犠牲による愛は、ある意味、愛されていることがわかりやすい愛とも言えます

だからこそ、愛に飢えている人は、本当の愛を求めて
自己犠牲の愛を欲しがる傾向があります

ここで、注意が必要です

1.無償の愛を得るためには、自己犠牲しなければならない

無償の愛は、時に自己犠牲も厭いません

無償の愛に憧れる人は、無償の愛を得るため
逆も真なりとばかりに

「自己犠牲すれば、無償の愛を得られる」
「無償の愛を得るには、自己犠牲しなければならない」

と変換してしまう傾向があります

つまり、「愛されるために自己犠牲してしまう」のです

これが、疲弊する原因になります

「こんなに自己犠牲しているのに
なぜ、愛してくれないの?」になったりもします

愛に疲れたと思った人は
自己犠牲しすぎだと思った方がいいです

別の言い方をすれば
相手を優先して、自分を蔑ろにしすぎです

自分を取り戻しましょう
自分のために、行動してみましょうね

また、無条件の愛でも同じことが言えます

無条件の愛がほしい人が、
「まずは自分が無条件で相手を
受け入れなければならない」とばかりに
相手が何をしても許してしまうのです

これは、共依存になる方に多い現象です

無条件の愛を得るには
「どんなことをされても相手を許さなければならない
受け入れなければならない」という条件を自分に課していることに
早く気づいてね(^_−)−☆

結局、それで愛されても
その条件付きになっちゃいますよーー^ ^

2. 「愛する人のためなら死んでもいい」は、本当の愛じゃない

自分のために、自己犠牲をする冠葉を見て
陽毬は、苦しみましたね

あなたが自己犠牲する姿は
相手もあなたを愛すればこそ
見ているのは苦しいものです

だから「相手のためなら死んでもいい」は
実は相手のために
なっていないのです

では、どうすればよいか?

その答えは、ここにあります

「るろうに剣心〜伝説の最期編〜」で
剣心の師匠は

死ぬことを恐れていない剣心に
足りないものとして
伝えたセリフです

言葉尻は忘れましたが
「本当に愛するものを助けたければ
自分も生きろ」

というようなニュアンスです

つまり、相手を助けても
自分が死んでしまったら結局、悲しませてしまう
だから、最後まで、自分も生きる道を探せ、
死を恐れろってこと

ご興味のある方は
見てみてくださいね

「その命は、お前一人のためにあるのではない」のセリフはここでも見られます↓

師匠、いいこといっぱい言いますよ!

3. 自己犠牲の愛を試さなくていい


相手の愛を確かめるため
無理難題を言って、それでも自分を愛するか
確かめようとする人がいます

無性の愛は、強要されて発揮するものではありません
そんなことされたら、本当の愛も、萎んでいきますよ

また、自己犠牲の愛は、いざとなったらのもので
普段から発揮するものでもありません

そして、
無性の愛の関係性は、互いに作っていくもの

相手の愛を疑って、試そうとする
信頼していない時点で
相手だけに無性の愛を期待するのは
厳しいですね

まずは、自分が相手を信頼する練習をした方がいいですし
信頼させてほしいと思っている人は
信頼できる相手を選ぶところから始めましょう(^_−)−☆

また
ダメな人を選んじゃう傾向がある人は
トラウマから相手を選んでいる可能性がありますから
これまた、相手選びというか
まずは、自分を立て直すところから始めることを
お勧めします^ ^

ここまで、この作品の良さや、深さを熱弁してきました

最後に、もう一つ、この作品のすごいところを
言わせてください!!

それは、この作品の落とし所です

親の愛を十分にもらえなかった子供が
主人公の場合、多くの作品は

親からの愛を受ける
あるいは、愛されてなかったと思っていたのは
勘違いで、本当は愛されていたんだ!
と気づいて、感情のラストを迎えます

例えば、
エヴァンゲリオンも
その落とし所で、ようやく感動のフィナーレになりました

しかし、本作は、親から離れた後
もう親は出てきません
(苹果の親だけはそのままですが)

親から愛されず
誰かからの「愛してる」を
欲しがっていてた子供たちが

愛を循環させ
愛することを知っていくのです

「愛された」確信が
自己犠牲による愛という点が
ちょっと、誤解を生みそうで
心配になるところですが・・・

(誤解しないでほしいポイントも読んでね(^_−)−☆)

「実は、愛されていた」
誰もがそう望みますが
それ以外の落とし所として
素敵でした!

なかなかうまくいくことでは
ないと思います!!

また、難しい社会問題も
愛を巡るものとして
本質が描かれていたと思います!

こんな風に
表現できるって憧れます☆

そして
この作品のおかげで
様々なことに興味を持ち
考えたり、勉強したりする機会をいただき
感謝しています!!

長々、ありがとうございました!

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